鎧伝サムライトルーパー

鎧伝サムライトルーパー OVA(オリジナルビデオアニメ)
MESSAGE(メッセージ)
紹介 & ストーリー解析



MESSAGE Vol.5
「訪れた真実」
   
91.8.23発売。 監督・脚本・絵コンテ:池田成/作画監督:塩山紀生
当時定価 \3900

ストーリー
眠りにつくすずなぎは自らに心の在処を問う。一方、遼はナスティに連絡を取る。「新宿なんだよ、みんなそこにいるんだ!」「戦えるの?・・・間違っているのは私達かもしれないのに・・・」
遼は部屋で一人、留守電に残された4人からのメッセージを聴く・・・

当麻「遼、例の台本を今送ったところだ。やはり、予言されていたとしか思えない。描かれた儚い未来に哀れみを感じる。それは俺達が過ごした時間、過去にすぎない。不思議な気持ちだ。自分の死に物狂いの戦いを、予言されるって事は。転がるように物語は進んでいる。そして、作られた物語もやはり行き場のない奈落に落ち着いている。

この台本には人の心が説かれているんだ。心の無理のない流れを感じる。そして・・・そして最後は心に悩み、空回りする自分が吹き溜まりでもがくんだ・・・。確かに鎧は砕かれた。俺達は鎧を砕くために戦ったのか?違う・・・あんなものは力と力をぶつけ合えば砕けるさ。そうじゃない、何かが変わらなければ、繰り返されるだけなんだ。遼、見えるんだ、見えてしまうんだ、繰り返される歴史・・・戦いへの導きが・・・どうすればいいんだ、遼!!・・・すまん、遼・・・お前の事だから心配かけている事と思うが・・・大丈夫だ、気にしないでくれ。楽しみにしている、今度会える事を
。」

伸「遼、当麻からの連絡はこっちにはなかったよ。でも、当麻の事だから心配いらないと思う。もちろん僕も大丈夫さ。気持ちの整理は出来てる。戦えばいいんだよ、迫ってくる敵を倒せばいいんだ、簡単な事なんだよ。そうしないとやられるんだ。自信があるんだ。自分は何も間違っちゃいない。正しいはずさ。それだけの事なんだ。理解出来る、手の届く範囲だけでいい。僕はそこで生きてるんだ。

鎧には大きな、そして問題があるらしいね。でも出来ないよ、鎧の世界を変えるなんて、そんな大それた事は出来ないよ。だから自分本位に考える、身勝手とは思うけどね。でもそれだけしか僕には責任が取れないんだ。深入りは出来ないんだ。・・・はぁ、終わらせたいね、終わりがあるんだったら。きっと、あると思う。いつもみんなで見つけてこれたしね。今度も、きっと見つけられると思う。それじゃあ・・・遼・・・ごめん。


秀「遼、いるのか?お前までいなくなっちゃ、もう訳が分かんなくなるぜ。とりあえず征士は今朝までは生きてたよ。なんだか鎧を使って世の中を綺麗にしたがってる奴がいるらしいな。見せてやりたいぜ、輝煌帝のこわ〜い本性をよ。確かにな、確かに世の中は汚ねぇかもしれないが・・・俺は結構信じているんだ、人間ってヤツもまだまだ捨てたもんじゃないって事だな!へへっ、遼・・・俺、手が震えんだぜ、俺の手がよ。怖がってんのかな?俺戦うぜ、そして勝ってみせる。

でも、何にビクついてんのかな?真実ってヤツか?遼よ、何と戦うってんだ。今度は敵なんていやしない、過去の自分と戦うんだ。妖邪は倒したぜ、そこから何を得たんだ?その事が問われるんだ。俺、何も得ちゃいない。何も残していないんだ。・・・同じなんだ。力を振り回す自分を止める事が出来ないんだよ。直接なら、話せなかったと思う。サンキュ、遼。ごめんな、恥ずかしいな俺って・・・じゃあな。


征士「信じてよいと思う。我々の心を。悲しさや恐怖を知った臆病な自分達を。だからこそ人を愛せるんだ。この世に鎧が現れて、様々な時代に様々な影響を与えてきた。そんな鎧に巻き込まれた嘆きが記されているようだ。鎧なくして過去も未来も語れぬほど、人の歴史の裏側に根深く鎧が食い込んでいる。心が鎧を司ったためだ。人の心とは不可思議なもの。幸せを願うが、憂いに美しさを詠む。

鎧のもたらす出来事はたかが人には避けられぬ。哀れむ心は温もりを生み、ここに人は身を任すのだ。培われた感情に見事な心の流れを見る。鎧なくして語れぬ歴史、鎧世界のもたらす答え、人の心、光にまどろむ。今、新たな歩みの始まりではないのか?遼、今度会う時は、私は鎧を着ているような気がする。五人の心を信じたいな。そして、信じられる心を努めてみせる。じゃあ遼、光の中で・・・。

4人からのメッセージを聞き、遼は目を閉じ何かに思いを馳せる。

・・・空に妖邪のイメージが浮かびあがる。その下では国際会議が開かれていた。新宿の異変は別の空感からの挑戦と捉えられていた。武力行使すべきという意見が飛び交う中、ナスティは5人を思うと決意したように立ち上がる。「意義ー申す!」彼女の澄んだ声が場内に静寂をもたらした。

怪しい雲が渦巻く、すずなぎの結界に覆われた新宿に遼は一人やって来た。新都心ビルの前ですずなぎは待っていた。「残る一人、烈火の遼だ。皆をここに感じた」
呼応するようにビルの屋上には天空・水滸・光輪・金剛の鎧が現れる。
「やってみる。俺を信じてくれ。そして俺も皆を信じる」

すずなぎが両手を広げると烈火の鎧箱が現れる。「当麻様は過去の過ちに気付きました。伸様は希望を見出せませんでした。秀様は終わりのない戦いを認めました。征士様は拒否しました。戦いを・・・さらには心を。そして今貴方はこの鎧をもって何を導きだそうとするのか。我が怨念によって作り上げた鎧。輝煌帝を迎える為だけに存在する五つの鎧で」

「俺達は邪悪な心と戦う為に生きてきた。本来ならここでお前と戦わなければならないさだめ。だが、その答えは鎧に聴こう。俺達とお前の迷いに対する答えを」
「私の迷い?」
「俺達は戦いの中で人間を見つめる事が出来た。ひ弱な、臆病な、哀れな人間、それを自分達の中に・・・」
「手向けの鎧、この手でお着せ致しとうございます」

舞い散る桜。すずなぎは自ら遼に鎧を着せる。
「失いました」「戻ってはこない」
「忘れられません」「振り返るな」
「傷は・・・」「癒える」
「涙は・・・」「乾く」
「我が恨みは・・・」「しかと見届けてくれ。砕いてみせる。鎧と共に」

受け取った兜を被り、遼は威風堂々と叫ぶ。
「サムライトルーパーよ、心をここに一つとせーい!!」
4体の鎧から放たれた光が舞い上がり遼に向かう。大きな光が渦を巻き、全てを包み込んだ・・・。

・・・そこは霧のかかった空間だった。膝を付き、荒い息遣いをする遼。その身体にはすでに鎧はない。そこへ近づく足音と人影。鎧から開放された4人が遼に歩み寄る。「ここに光が差す日が来ればいいな」

すずなぎが目を開くとそこは霧に包まれた墓場だった。「この墓は・・・」
過去・・・鎧の力を拒み、封印しようと命を懸けた人々の歴史が浮かび上がる。「この墓はこの者達のものか・・・」「そのような事に哀れむ心などはとうに持たぬ」「似つかわしい!作ってしんぜよう!五つの新たな墓をここに!」

その時、百炎が一輪の花を加えて姿を現す。「その花は・・・」そしてすずなぎを一瞥すると一つの墓にそっとその花を添えると大きな咆哮を上げる。
「・・・かあさま・・・!」

遠い過去、かつての部屋に昔のままの姿の母とすずなぎは会話する。「あなたの哀しみが、あなたの苦しみが、あなたの心に怨念を生み出しました。その小さな胸では無理のない事・・・。この地には流れる時代に鎧を拒んだ者達が眠ります。」
「哀れな死を選んだ者達の地です」
「哀れな死、惨めな生き様、されどここには人を恨む心はありません」
「なぜ?」
「皆、人を愛したのです。愛は計り知れぬ力を生み出します。が、その力は恨みと姿を変える事もしばし・・・。母は、貴方の愛が哀れでなりませぬ・・・」

黒船からの砲撃。燃え盛る舞台小屋。泣き叫ぶすずなぎを庇う母。あの日の記憶が蘇る。
「母の愛は鎧の片隅にそっと添えました。後の世の五つの心に託しました。力に悩む五つの心に・・・」

すずなぎは本来の少女の姿に戻り母にすがる。
「母さまー!母さまも死にました。父様も死にました。愛するものなど何もありません・・・!」
「優しい子・・・もう一度愛しておくれ、心のままに・・・」優しい光が二人を包み込む。

「健気にも正しい道を求めた心が我が娘に光の道を与えました。ここにお礼申し上げます・・・」
澄み切った青空。当麻は新たな天空の鎧を身に纏い、雲の上を飛行する。
新たな水滸の鎧を身に纏った伸。槍を振りかざすと、それに呼応するように波が舞い上がる。
金剛の鎧を纏った秀。溜めた力を解放すると大地がめくれ上がり弾け跳ぶ。
鋭い眼差しで刀を構える光輪の鎧を纏った征士。
烈火の鎧を纏い、力強い一歩を踏み出す遼。

ビルの屋上から眼下に街を見下ろす5人。
秀「百炎、俺の墓参りもよろしくな」
伸「秀、これからなんだぜ、僕達の時代は」
当麻「まずは、五つからか」
征士「サムライトルーパーの名に恥じぬ歴史を作ってみせる」
遼「愛ある限り、心のままに・・・」

「その答え、いつか聞かせて頂きます・・・」すずなぎの声が響き、その姿は遠い景色の中に消えていった・・・。
解説
今回、今までのような過去フィルムを流してのナレーションはありません。

●遼は喫茶店を出た後何をしていた?→ラポートでは・・・仁の心を持つ遼には鎧に巻き込まれた人々の心を直感的に感じる事が出来、事件の核心が分かっていました。数々の戦いによって遼の心は成長しており、すずなぎを浄化させる事はおそらく遼一人でも出来たのですが、すずなぎ自身が納得して浄化されるためには、どうしても5人の力が必要だったのです。

仲間が次々に取り込まれている事も分かっており、心の整理をするために瞑想、焦る事なく最後の瞬間を待っていたのでしょう・・・との事。それにしてはナスティとの電話でちょっと焦ってましが・・・??

●ナスティの「戦えるの?・・・間違っているのは私達かもしれないのに・・・」の意味は?→力で倒すべき相手ではないと言ってるのは何となく分かりますが、ナスティがなぜそこまで知っているのかという点が引っかかります。4巻で征士が調べた蔵はやはりナスティ邸???

●4人の留守電の意味は?→当麻は「未来への可能性を見出せない焦り」、伸は「自分の成すべき事が分からないという混沌」、秀は「力をどこにぶつけるのか、そしてその相手は本当に敵なのかという疑問」、征士は「人の心と未来を信じるという希望」・・・だそうです。

留守電なんて私の場合「○○です。え〜と・・・連絡ください」・・・と恥ずかしいので名乗った後、敬語で用件だけ伝えてすぐ切ってしまいますが・・・。彼らは名乗りもせず、いきなり「信じて良いと思う」などと切り出し、そこにいる相手に話しかけるように喋っています(征士は電話だと良く喋るタイプ??)。このシーンは同じタイプの留守電を買った池田監督が作ったそうです(こんなに録音時間長いのあるのか??)。

個人的には秀のメッセージには若干気になる部分がありました。「今度は敵なんていやしない。過去の自分と戦うんだ」は、「敵はいない=力で倒す相手ではない」と解釈しても、「過去の自分と戦う」とはどういう事でしょう?当麻のように妖邪を力で倒した事への疑問?・・・だとしても余りにも非常に分かりづらい言い方です。

「妖邪は倒したぜ。そこから何を得たんだ?」「何も得ちゃいない」というのは、平和を得たんじゃないの?と疑問に思いましたが、人の怨念は絶えず生まれ、完全な平和は訪れない(また今回のように戦いが始まる)・・・という意味なのかな、とも思いました。

●ナスティが出ていた国際会議は何?→場所はワシントン。会議では新宿の異変は別の空間からの挑戦と捉えられ、武力行使すべきという意見が大半を占めていました。ナスティは、争いは怨念を生み、さらには妖邪界を作る温床になる事を知っているため、一人異議を申し立てました。心の大切さを説くために。

それが、この作品における「トルーパー」と「人(社会)」との窓口的存在としてのナスティの重要な役割でした。迦遊羅と三魔将が任された妖邪界とは別に、新たに多くの妖邪界が生まれようとしているそうです(ではあの妖邪界だけ守っててもあまり意味がない??)

世界各地に人間の恨みは存在しており、新たな妖邪との戦いが起きるのは時間の問題でした。ナスティはそれを阻止するために努力していました。彼女は柳生博士の後を継ぎ、鎧の研究を続けています。彼女にとって阿羅醐との戦いは妖邪界との対決の終わりではなく始まりでした。膨張する怨念は鎧世界の干渉を呼び、新たな妖邪界を生む事を追求していました。彼女は鎧の本質を語ると共に世界平和の一助となるべく平和運動を展開しているそうです。

鎧世界、妖邪界の事を一般人に説明するなど至難の業。誰一人理解者のいない中でどこまで出来るのか、妖邪界の力の源をなくす事が出来ると信じて行動しているそうです。そして、かつての戦いで祖父を殺されたナスティはすずなぎの哀しみを一番わかっていたかもしれません。

●会議上空の妖邪は?→人々の暗い思いに鎧世界は応え鎧世界は尋常でないエネルギーを現実世界に送り込んでいました。時はアメリカで交戦ムードが高まっていた時期でした。そんな人の世に渦巻く欲望・邪悪な意思を表したイメージとも言えます。その上空の妖邪が人々に見えていたのか?他の国々でも同様の現象が起こっていたのか?それらは名言されておらず不明です。

●すずなぎはなぜ遼に自ら鎧を着せた?→すずなぎは征士によって救われ、この時すでに戦いの意思はありませんでした。遼が鎧によって何を導き出すのか見届けたいという思いだったのでしょう。

遼が初めて会ったすずなぎに「俺達とお前の迷い」と言っていましたが、4巻を見ていたように彼女心境や事情を理解していたのは、前述したように仁の心で直感的に感じていたからという事なのでしょう。
超好意的な解釈をすれば、星のララバイで1〜4巻の編集が流れていた間、遼は夢の中で事情が分かったのかもしれません(2巻で伸が当麻の異変を夢で知ったように)。

●なぜ6人はあの墓場に行った?→遼は4人の鎧パワーを受け、その力を輝煌帝を呼び出す事に使わず「正しき心を持って鎧に関わった者達の、魂の安らぎの場」へ導きました。邪悪な意思が侵入出来ないように、迦須一族によって何重もの封印が施された場所。遼達でさえ、5人の力を結集しないと入れませんでした。遼がなぜその場所を知っていたのかは不明です。鎧に込められたすずなぎの母の愛が導いた?と好意的解釈をしましょう。

百炎が花を添えたのは、すずなぎの母の墓でした。人の心と鎧の力を正しき方向に導こうとした彼女の母の魂もこの場にいました。母の語りかけによってすずなぎは理解します。自分のやろうとしていた事は妖邪と同じであり、父や母の教えとは全く違う事を。自分の心が憎しみのみに捕われていた事に。母の大きな愛を知り、愛する心を思い出しました。

●なぜ百炎はもっと早く来なかった?→正邪を見抜く力を持つ百炎にはすずなぎは可哀想な人間にしか見えていませんでした。5人に任せても問題ない事なので敢えて干渉しなかったとか(何か偉い立場ですねw)。5巻で百炎が加えていた花(百合)はすずなぎの芝居小屋の周囲に生えていたものと同じだそうです。なのでそれを見たすずなぎは驚きました。霊虎である百炎は時空を越えて摘んで来たのかもしれない・・・そうです。

●「母の愛は鎧の片隅にそっと添えました」とは?→すずなぎは怨念の鎧だと思っていましたが、実は彼女の母の愛が込められていました。小林プロデューサーの話では、「母親が死ぬシーン、その瞬間にすずなぎとの間に物凄い情念のやり取りがあり、その時に、何か理屈じゃない力が作用して母親の愛が鎧の中に託されるようなセッティングがされた・・・すずなぎ自身が怨念の鎧だと思っていた鎧は、実は愛の鎧だったのです」との事。(それにしては4人が取り込まれても何もしてくれなかったの?という疑問もありますが・・・)

●なぜ最後に5人は新たな鎧を纏っていた?→すずなぎの怨念が消え、母の愛が込められた鎧に戻ったのかと思いましたが、ラポートでは5人の心によって浄化されたとも書かれています。

●最後の5人のセリフの意味は?→
「百炎、俺の墓参りもよろしくな」・・・これは5人が死んだ訳でも、死を決意して戦いに赴く訳でもありません。ラポートでは、「正しき心で鎧を使った彼らには十分にその資格がある」との事。つまり、もし何十年後かに彼らが死んだ後「正しき心を持って鎧に関わった者達の魂の安らぎの場」に行く資格があるという事。逆に言えばこれから鎧を悪用すればそこへ行く資格はない。これからも正しき心で鎧を使うという誓いと解釈出来るのではないでしょうか。

「秀、これからなんだぜ、僕達の時代は」・・・秀があまりに先の話をしたので、それをいさめたのでしょう、自分達にはこれからやる事があるのだと。しっかりと未来を見つめ、決意を込めて。

当麻「まずは、五つからか」・・・ラポートでは、彼らには「人の心を成長させるという新たな役目を与えられた」との事です。与えられた、というより自分達で決意したのかもしれません。最後に鎧を着ていましたが、=すぐ戦いが始まるという訳ではないようです。妖邪界を作る元となる怨念は永久に生み出され続けています。怨念そのものを消すためには、今生きている人々の心の持ち方を変えなければなりません。

しかしラポートの同じページには「彼らはやっと闘いの場から開放され、普通の少年として生きていける。本当に、これでやっと・・・」や「鎧の役目を全て終えた彼らは、こうして各々の生活へと戻っていく」とも書かれております。 「人の心を成長させる」使命とは、鎧や戦いとはまた違う使命と捉えて書いたのか・・・??(それにしても使命があれば普通の少年としては生きてはいけないでしょう)。

また、小林プロデューサーの話では、「彼らなりにいろいろ考えた末にサムライトルーパーとしてやっていこうという気持ちになったのがメッセージのラスト」と語っているので、鎧の役目を終えた、開放された、とは思えません。

「人の心を成長させる」使命とはナスティが今している事と同じなのかもしれません。ナスティとはやり方が違うのか?はたまた5人それぞれ違うややり方なのか?それはわかりませんが、彼らは正しき人の心を説こうとしています。それが今はトルーパー5人の心、五つから始めよう、という事でしょう。厳密にはナスティ、純も入れて7つかと思いますが・・・。しかしそれは単に妖邪と戦うより難しい事かもしれません・・・。

征士「サムライトルーパーの名に恥じぬ歴史を作ってみせる」・・・前述したように彼らの新たな使命への決意でしょう。彼らは人の心に変革を与えられるのか?彼らの作る歴史は・・・?すずなぎも自分のような悲劇が起こらぬ事を5人に託したようです。

「愛ある限り、心のままに・・・」これはいまいちわかりませんw 「愛ある限り戦いましょう」という某番組がりましたが・・・。「愛ある限り」はまあ、分かりますが「心のままに」というと自由気ままにという印象があります。鎧の心のままにという事??すずなぎの母が言った「愛しておくれ、心のままに」という気持ちを汲んで言った??

●なぜ最後に純が出た?→あれは近未来の話。このシーンでは純は中学1年、トルーパーが修行を始めた歳だそうです。池田監督の話では「純にはこの作品の未来、5人の救いとして登場してもらいました」との事。

ラポートによると・・・純とナスティは次のステップに進んでいました。極論を言えばすずなぎの事件は一つのエピソードで二人はこれから起きる鎧世界からの干渉に立ち向かう準備をしています。TV版で偶然巻き込まれたように思える二人ですが、それは偶然ではなく、迦雄須一族の意志は人間界に脈々と生き続け、この二人に繋がっていたのだろう。

トルーパーは善き心を持って戦う戦士。しかし、人間そのものが善き心を持たなければ世界は破滅する。阿羅醐との戦いと通じて二人は何をすべきか直感していた。人の怨念は戦士だけでは防ぎきれない。命の勾玉に匹敵する善き心を育てなければならない。

純は5人の戦いを見て、心を鍛える事こそ人類の未来を守る事だと確信しています。将来の目標はまだわからないものの、自分の心を鍛えるために剣道を始めました。子供なりに考え自分に出来る事から初めています。

●台本を書いたのは誰?→台本を書いたのは鎧の力を察知できた人物。すずなぎの父と仮に設定していましたが、敢えて問う問題ではないと思い省いていました、と池田監督は語っています。そしてラポートでは、すずなぎの父母は迦雄須一族の縁の者だったと書かれています。

●ラポートからすずなぎと両親の補足→
遠い時代に一族から離れたため血は薄まったが、偶然に「力」の強い者が生まれてしまった。すずなぎの両親は自分の一族の使命などは知らなかったが、鎧のイメージは明確にわかった。力を欲した人間が強く念じれば鎧世界は力を貸す。ましてやすずなぎは迦雄須一族の末裔。もともと鎧世界に干渉するだけの力は持っていた。

実際にすずなぎの両親や座員達を殺したのは幕府だが、すずなぎはその理由は鎧だと信じていた。それは一面では当たっている。すずなぎの父母は迦雄須一族ゆかりの者故に、人の心が怨念を持つと妖邪の世になると信じ、それを避けるために人々にそれを舞台として伝える伝道者となった。

両親は迦雄須一族ゆかりの者だからこそ、阿羅醐との戦いを垣間見えた。しかし完全な力を持っていた訳ではない。すずなぎの衣装からも分かる通り両親はキリスト教徒であり、魂の安息の地と妖邪界の違いをキリスト経典に近いものだと思っていたようだ。鎧伝説を完全に理解していないからこその誤解だったのかもしれない。それ故に幕府からの弾圧という悲劇が起きた。

鎧の為ならば命を捨てる覚悟のあった大人と違い、すずなぎの魂は怨念の塊となって地上にとどまった。すずなぎにも鎧に関わる力が引き継がれていたので、妖邪が成長するのと同じプロセスで時間経過に従い、その力が強化されていった。

・・・すずなぎと両親が迦雄須一族ゆかりの者ならば、鎧や妖邪との戦いを予言出来た事、すずなぎが凄まじい力を持ち、鎧を作れた事など、いろいろと辻褄が合ってきます。なぜ監督はこんなにスッキリする事を「敢えて問う問題ではない」とバッサリ省くのか。劇中でこれが明らかにされていれば、当時どんなに救われたか(意味が分かって)・・・。

しかしそれよって引っかかる部分もあります。1巻ですずなぎと迦雄須は会っています。当時はまだ、すずなぎの力がそれほど強くなかったといっても、一族の者なら迦雄須なり錫杖なりが気付いても良さそうなもの。しかし迦雄須が気付いていたようには見えません。気付いていたらあんな中途半端な除霊(?)で片付けないでしょうし・・・。
当時の感想
最後はさすがに1〜4巻に比べたら見応えがありました。
愚痴ナレーションもなし!するとようやく全編新作画!と思いきや、挿入歌「星のララバイ」を流してメッセージ1〜4巻の編集シーンが・・・。何が何でも編集シーン入れなきゃダメなんですか??(星のララバイはいい曲ですが)

今までの「戦いは辛かった〜」的な事を聞かされるのはファンとしても辛いものでした。しかし愚痴とは違う4人の留守電のセリフは割と好きです。でも電話が点滅するだけで遼の絵は全く動かないのは酷い・・・。昔のアドベンチャーゲームでもあんなに絵が変わらない事ないよ・・・。

当時、そのシーンでどうせ遼が動かないので5巻をカセットテープに入れて聴いていました。そのせいで今でもほぼ4人の留守電セリフ頭に入ってますw

しかし最後は解決したようで、結局どうなったかわからない。最初から最後まで狐につままれたような気分でした。そして思いました。トルーパーは完全に終わったなと・・・。
5巻発売の4ヶ月後、ラポートDXでようやく作品内の意味がわかりました。
補足・池田監督の話
ラポートの池田監督インタビューより。なぜこのような作品になったのか?監督がどういう気持ちで作ったのか?気になった部分を抜粋いたします。

「この作品は五人に必要な話を作る事が使命だと思って作りました」「今回サンライズ様からお話を伺った時、作品内容にかなりの自由が許される事がわかりました(作品形態の方はいろいろあって不自由でした・・・ご覧の通りです)」

「とことん「五人のため〜」の映像はどういう事かを考える作業が続きましたが、大変というよりも、何か喜びのようなものを感じる日々でした」「今も「五人のため〜」にはこの形が一番良かったと思っています。」

(制作記者会見にて「全ての謎がこのネオステージで明かされるのです」という説明について)「ある意味では挫折と妥協があったと思います。ネオステージを使う事で話が解りにくくなる可能性の方が大きく感じるようになりました」「お話を表現しやすく、解りやすくするために現在の表現の方法を選び、その事が今回の話には良かったと思っています」

「今回の作品は五人のためだけに存在する作品であれば良いと考えました。作り手も受けても必要のない作品を作ろうと思いました。本来こんな勝手な事は許されないのかもしれません。しかしサムライトルーパーという作品を我々にとっても、見て下さった人にも大きな存在にしたのは五人なのです」

「メッセージという言葉はいといろな意味で捉えて下さって良いと思います。今回の作品は僕にとっては五人からのメッセージが聴きたくて五人の声が聞こえるように仕事をしたつもりです。そしてこの作品という答えを得る事が出来ました」

「他の雑誌でこの作品の事を「サムライトルーパーを知っている人にしか解らず、サムライトルーパーのピークを知る人には満足のいかない作品」ではないかと書きました。この表現がこの作品を良く表していると自分で思っています。そして、許された全ての力を出し切れた作品となれたと思っています」

「身勝手な作りを許してくれたソニーミュージックエンタティメント様やサンライズ様に感謝しております。作るべき話なのではないかという迷いも当初はあったと覚えています。しかし、サムライトルーパーに、五人に必要な話が出来るのであれば・・・と参加した作品です。僕にとってはもちろんですが、五人にとって不明瞭な点は一つもなかったと信じています」


・・・これらを読んだ感想としては、監督が解りやすさについて考えていた事に驚きました。しかもあれで解りやすい形という事にまた驚きました。ふと、当麻が天空伝で「自分の基準でしか〜」と言っていたのを思い出しましたw

そして「サムライトルーパーを知っている人にしか解らず」と言いますが、知っている人にとっても、ラポートなしでは訳が分からず、そして明瞭な点は一つもない作品でした。
ラポートの解説があってこそ初めて成立する作品という気がします。

そして自分には未だにどこが「五人のため」なのか理解出来ません。今までの戦いは辛かったと愚痴らせる事が彼らのためなのか?それが五人の声を聞く事?ならば遼の愚痴がないのはなぜ??
また苦悩させ鎧を着せる事になっても、それが彼らのため??
凡人の私には全く理解出来ません。監督が五人のためだけに作ったのはいいですが、もう少しでいい、ファンとしては救いが欲しかったです。騙してくれるだけでいい・・・。



MESSAGE 特典うちわ
全巻予約特典だったと思いますが、店頭で貰ったのか、応募券を送って貰ったのか、すっかり忘れてしまいました・・・。

最初に見た感想は・・・なぜこの絵?!
特にカッコいいイラストでもないし(失礼)、なぜ何の関連もないこの絵なのか??
これは、「サムライトルーパー メモリアルズ下巻」で23話に使われたイラスト(おそらく服部真奈美さん原画)です。

どうせ描き下ろしでないなら、メッセージのメインビジュアルやジャケットイラストで良かったのでは?本編で編集シーンばかり流してたから特典もTVシリーズの絵という事??





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